ラ・ボエーム

モンマルトルの アパルトマンの
窓辺にひらく リラの花よ
愛の部屋で あなたはいつも
絵を描いていた いとしい人
あたしを モデルに 愛し合った
あなたと わたしの二十才の頃
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
幸せの夢よ……
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
根のない草花……

貧しかった 私達は
虹のおとずれ 夢見ていた
仲間達と キャフェの隅で
ボードレールや ヴェルレーヌの詩を
読んでいた 愛し合った
あなたと わたしの二十才の頃
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
きれいだった あの頃
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
夢みる さすらい……

夜更けに帰り あなたは向かう
キャンバスの前に 夜を明かし
朝になれば コーヒーなど飲んで
夢を語り 夢をみたの
愛の眠りの 愛し合えば
感じなかった 冬の寒さ……
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
青春のうたよ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
はかなく うるわし……

ある日のこと 私達の愛の街角
訪ねてみた リラも枯れて
アパルトマンの影さえなく
歩きなれた道も消えていた
若き日々の靴の音は聞こえなかった
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
帰らない夢よ
ラ・ボエーム ラ・ボエーム
いちまつの夢よ……
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