霧笛が俺を呼んでいる

霧の波止場に 帰って来たが
待っていたのは 悲しいうわさ
波がさらった 港の夢を
むせび泣くよに 岬のはずれ
霧笛が俺を 呼んでいる

さびた錨に からんで咲いた
浜の夕顔 いとしい笑顔
きっと生きてる どこかの町で
探しあぐねて 渚に立てば
霧笛が俺を 呼んでいる

船の灯りに 背中を向けて
沖を見つめる 淋しいかもめ
海で育った 船乗りならば
海へ帰れと せかせるように
霧笛が俺を 呼んでいる
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