幼なじみ

通りぬける夕餉の匂いや
微かに鳴る空の片隅
大人になって思えばそんなものさえ
ささやかで懐かしく

まだ慣れない街と帰り道
暮れは近く ふたりは淡く
「明日はちょっと遠くまで行ってみよう」
なんて小さな約束で振り返る

言いそびれたことはあとで

迎えに来る人を待って
またいつか晴れたらここで
指が触れた昨日を辿って
いつまでも繋いでいた

「明日はちょっと遠くまで行ってみよう」
なんて小さな約束で振り返る

やさしい日々が胸を掠めて
たいせつなものを感じても

言いそびれたことはあとで

迎えに来る人を待って
またいつか晴れたらここで
指が触れた昨日を辿って
いつまでも繋いでいた
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