にじんで見えない

コーヒー飲みほして 髪を固めて
前のめるように部屋を出た
見飽きた夢を小脇にかかえ
何をまだ僕は恐れている

「迎えに来てね」の一言が 今もまだ耳に残るけど
まぼろしだよな まぼろしだよな
降りる駅を寝過ごしながら僕は生きている

どしゃぶりの中 傘もささずに駆けてきたね
汗と雨 染むブラウス 擦れあう二人

いつもないのは欲しいものだけ
あまのじゃくだと人は言う
見飽きた夢もまた巻き戻そう
死ぬまでこれをくりかえす

あなたにこんなにも焦がれてた あの日がゆっくりと流れてく
あなたとならば あなたとならば
いつも思う そしてその後 にじんで見えない

あなたにこんなにも焦がれてた あの日がゆっくりと流れてく
あなたとならば あなたとならば
いつも思う そしてその後 にじんで見えない にじんで見えない

あきらめないでと泣きながら 手を振るあなたが見えるけど
まぼろしだよな まぼろしだよな
降りる駅を寝過ごしながら 僕は生きている
×