冬物語

時計台の影を踏みながら歩いた
去年の秋と何も変わらない
あなただけがいない この街にはいない
今年の秋を枯れ葉が埋める
小さな倖せを掴みきれないまま
迷い込んだ心 漂う街角
降り出しそうな空 震えてる小枝が
僕を映している 窓ガラスに爪を立てる

それぞれの風が胸を凍らせてく
冬物語 静かに始まる
やがて白い雪が 悲しみを被って
洗い流して春をむかえるよ
掴みきれないもの それが夢なんだと
わかっていたならば 目かくししたまま
一人部屋の中で 生きていればいいと
なだめているように 時計台が心叩く
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