サマータイム・ブルース

陽射しにゆらめく高層ビルの
真下にグレイのバイクを止めた
あなたの背中で仔猫のように
ふるえた私の旅が終るの
サマータイム・ブルース
海辺で炎(も)えた恋だけが
サマータイム・ブルース
夏の都会で色褪(あ)せる
もし青春が傷を負うなら
私フラフラ歩きだすのよ
あー 八月の濡れた赤いくつ

斜めに見つめる瞳の翳(かげ)が
私の淋しさ引き寄せたのよ
あなたのジャンパーくるまりながら
浜辺で朝焼け見たのも夢ね
サマータイム・ブルース
真夏の白い太陽が
サマータイム・ブルース
悲しい恋を照らし出す
さよならと右手上げても
流れる髪があなたを追うの
あー 八月の濡れた赤いくつ

しらけた世代と人は言うけど
心の中まで のぞけないもの
レースのスカート 風になびかせ
あなたを見送り静かに泣いた
サマータイム・ブルース
ひと夏きりの人だから
サマータイム・ブルース
鮮やかすぎる絵になるの
もし青春が花火だったら
私きれいに炎えつきたのよ
あー 八月の濡れた赤いくつ
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