浪人独り旅

蒼い風が 吹いていた
白い雲が 呼んでいる
噂尋ねて 来た町は
真赤な渦が 捲いていた
前触れなしに 来る男
浪人ひとり 旅を行く

峠に花が 咲いていた
知らない国が 見えて来た
草笛捨てた 岐れ道
陽かげの道標(しるべ)が 気にかかる
昨日と明日の ない男
浪人ひとり 旅を行く

宿場通れば 灯がともる
ねぐら定めぬ 気まま者
朱鞘(あかざや)だけが 知っている
今宵の酒の ほろ苦さ
月影踏んで 来る男
浪人ひとり 旅を行く
×