目蓋

ねえ、どうして僕らは 分かり合えない事柄を
平行して歩いているお互いのせいにするの?

違いを知った現在に肩を落としているけれど
その声もこの腕も変わらず傍にあるよ

目蓋を今は閉じたままでいいから
「さよなら」その言葉は要らないのさ

ありふれた日々の中 体温も呼吸さえも
僕ら違うのだから ぶつかるのは仕方が無い

頬伝うこの雨は 何万の意味を持つけど
ほんの何分の一を 分かち合えればいいな

言葉にならずに涙でこぼれても
「抱きしめて離さない」と分かったように

只今は泣けばいい 長い夜は過ぎ 朝は来るから
目蓋閉じて手を合わせ まだ見えぬものを 思い合おう

僕は僕 君は君で違ってるから
重なり合う思いを 愛せばいい

目蓋を今は閉じたままでいいから
「さよなら」その言葉は要らないのさ

要らないのさ
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