半径1mの夏

たらした汗も
溶けてくアイスクリームも
落ちてくぼくの心も
すべてきみの
半径1mで起きた夏の出来事さ

これから他人同士としてふたり
季節をこえるつよさを探さないと
給水塔の影のように長く遠く
きみがはなれてゆくから

もうふたりの足元から透けるように
半径1mの夏が消えてなくなった
そしてふたりはおたがいを知らぬころの
半径1mの夏を歩いた
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