偶然の雨

傘がないから不意に入ってみた
懐かしいこの店
まさか会うなんて
さよならした人に
お酒なんかじゃごまかせない
あの時の涙の苦さがよみがえる

空になったグラスに
注いでくれるのはなあに?
知らない同士のふりをして
嘘とうわべ重ねて
飲み明かしましょう

悔しいけれどすぐに思い出した
好きになった理由
あなたずるいほど
笑顔がやさしいの
お酒のせいにしてもいいわ
何もかも忘れてせめて今夜だけは

空になったグラスは
二人の心を映して
駆け引きのような会話さえ
流れてるブルースに滲んで消える

今夜の偶然がもしも
運命なら引き寄せて私の指

まだ帰りたくないわ
あなたならわかってるでしょ
もう駆け引きなんて出来ない
流れてるブルースが切なく響く
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