アンコールはしない

「チケットを送ったよ」突然のきみの電話
久しぶりその声は 嬉しそうに弾んでた
金曜の6時じゃ 時間はつらいよね
改札は抜けたけど 目の前でドアが閉まる

チューインガムを噛んで 心を落ち着かせて
そういえばこんな日は決まって 小雨が肩を濡らしてく

ロビーに遅れて駆け込んだ 僕を係員が止める
「オープニングはここで待ってくれ」慌てて深呼吸した
扉越し懐かしい 声が聞こえてくるよ
なくせない僕のこだわりが 胸の奥で鳴り響きだす

友達の多くは 結婚したけれど
僕達は相変わらず 忙しく働いてる

やっと見つかったよ あの日のみんなの写真
後ろの方で僕と離れて 恥ずかしそうにきみがいる

僕らが口ずさんだ曲 今夜彼は歌うかな?
拍手にまぎれて きみの顔何度も僕はのぞく
彼に夢中な時 僕など目に入らない
横顔のきみは変わらない 次のサビは僕が歌うよ

コーヒーをおかわりして 語り合ったね朝まで

後悔なんかしたことない そういうと嘘になるさ
周りのスピード速くて 戸惑うこともあるね
アンコールをしない 彼は今も同じ
今日の僕らが思い出になる前に また会えるかな
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