長崎物語

赤い花なら曼珠沙華
阿蘭陀屋敷に 雨が降る
濡れて泣いてる じゃがたらお春
未練な出船の ああ鐘が鳴る
ララ鐘が鳴る

うつす月影 彩玻璃(いろガラス)
父は異国の 人ゆえに
金の十字架 心に抱けど
乙女盛りを ああ雲り勝ち
ララ雲り勝ち

坂の長崎 甃路(いしだたみ)
南京煙火に 日が暮れて
そぞろ恋しい 出島の沖に
母の精霊が ああ流れ行く
ララ流れ行く

平戸離れて 幾百里
つづる文さえ つくものを
なぜに帰らぬ じゃがたらお春
サンタクルスの ああ鐘が鳴る
ララ鐘が鳴る
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