女給の唄

涙でこさえた 人形の首も
風の吹きよじゃ 横にもふるよ
チップぐらしの しがない身にも
燃える血がある 意地がある

女給商売 さらりとやめて
可愛い坊やと 二人のくらし
抱いて寝かせて 母さんらしく
せめて一夜(ひとよ)を 子守唄

紅を落して 白粉ふいて
真の夜ふけに 流れる涙
知っているのは 神さまばかり
秋の銀座で 虫が啼く

星が出ている 夜更けの空に
むかし処女(おとめ)で 眺めた星が

浪の花ちる 津軽を越えて
故郷(くに)に帰るは いつじゃやら
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