身代わり警備

雪の鴨緑江(アリナレ) 国境の空に
死ぬも生きるも 二人連れ
今宵夫の 身代わり警備
女ながらも 銃(つつ)を執る

「ほんとにすまぬ」と 声かけられて
辞める夫に 笑い顔
なんのこれしき 御国の為と
握るその手を 胸に抱く

揺らぐランプに 灯入れて
「行って来ます」と銃執れば
勤務服着た 私の傍で
ポチが尾を振る いじらしさ

凍る吹雪に 曝されながら
辿る警備の 巡回船
ほめて下さい 身代わり警備
遠い故郷の お父様
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