愛国娘

若い黒髪 きりりと結び
臙脂(べに)もつけずに エプロン姿
街の夜明けに 工場の笛に
行くよゆきます 愛国娘

昼と晩との ニュースを聞いて
胸にしみこむ 戦地の便り
地図をひらいて 印をつけて
うちの兄さん 手柄はまだか

雪も降れ降れ わが家の窓も
戦地思えば 露営のこころ
弱い母アさん 寝かして置いて
針の仕事も 忘れちゃすまぬ

お嫁どころか 休みの日には
帰る白衣の 勇士を迎え
もゆる感謝の 涙をためて
駅へ行きます 愛国娘
×