物語の最初と最後はいらない ~左目~

最初のつまづきはいつ?
僕の記憶はなんて曖昧なの
手探りで吊るされた紐を引いたら
窓のない部屋が用意された
白い壁 落書き許さず
僕の脳内遊泳 輝き増したけど
諦めと恐れにギアが入ったら
感情がレイアウトされていく

Ah ここでも僕は何者でもなくて
着慣れた服のまま描いた
固いフレームをはみ出していくような
物語終わらせてはいけない

折れそうな三日月の下で
つがいの白鳥が水面にうなづく
その羽に触れてみたくって
意識を飛ばすとき僕は自由になる

Ah 力の入れ過ぎで
膝ついたペンのように
近い未来に壊れただろう
留まることも解放されていくことも
説明のない物語が欲しい

物語の最初と最後はいらない 物語の最初と最後はいらない
物語の最初と最後はいらない 物語の最初と最後はいらない
いらない…

ここでも僕は何者でもなくて
着慣れた服のまま描いた
固いフレームをはみ出していくような
物語終わらせてはいけない
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