悲しみにかくれて

人の流れを 駅へと向ける
うすむらさきの夕暮れの中
服の感じが あなたに似てる
見知らぬ男(ひと)に胸をつかれた

ほんの小さな きっかけひとつで
さよならのけしきが 今でも浮かぶの

悲しみにかくれて
閉ざした心を
人知れず癒やして
微笑みたいのに

あなたを好きになっていたとき
理由はあとで ついてきたのに
忘れるために 忘れるための
理由を無理に捜してるのよ

海辺のテラス 緑の街路樹
たわいない思い出が 痛みにしみるの

夕闇にまぎれて
見えない涙を
すれ違う誰かに
見抜かれたくなる

記憶のすべて 凍りつかせたい
懐かしく振り返る その日が来るまで

悲しみにかくれて
閉ざした心を
人知れず癒やして
微笑みたいから
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