むかしの男

女ひとりが 飲んでる酒は
背中あたりが 淋しいと
キザなセリフに ふり返りゃ
昔くらした 人がいた
私を泣かせた にくい男が
昔とおんなじ やさしさで
私を みつめてた

君をさがして ここまで来たよ
そこに座って いいかいと
女ごころを くすぐって
女ごころを 傷つける
殺してやりたい にくい男が
今でもお前が 好きだよと
ポツンと つぶやいた

今におもえば あんたを知って
酒もおぼえた 泣きもした
夫婦みたいな しあわせと
他人みたいな ふしあわせ
行ったり来たりの にくい男が
今度はどっちを くれるやら
もいちど 賭けてみる
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