隙間風

若い女の一人旅が どんなに恐いものかは
ちゃんと知っている積りだけど
ひき返す気などないわ
あのまま ずっとあなたを待っていたら
たぶん無口で暮す暗い女になってた
そんな気がします
旅の宿からいつか お気に入りの便箋の
手紙を受け取った時にあなた
然(さ)り気なく並んだ文字の間に
私の気持ち見つけるでしょう

ほんの小さな隙間風が忍んで
こんなに二人は遠くなっていたのを
どうして分からないままで来たの
あなたがいたら 旅に出ようとしてる
私のこと叱って止めたかも知れないけど
今ではもう遅い
旅の宿からいつか お気に入りの便箋の
手紙を受け取った時にあなた
然り気なく並んだ文字の間に
私の気持ち見つけるでしょう
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