夜が終わるまで

大事に握ったクッキー 粉々にして泣く少女
初めから無かったように ひっそり蒸発する水たまり

“ずるい”って本音 乗せた ため息が
白い衣装(ふく)を纏い 空へ舞う

“また明日”と手を振る人々 影はもう急いでる

夜の星に抱かれ 温かく 眠りたい
もう一度 ただそれだけ
“ごめんね”なんていらないよ 嘘でもいい
もう一度 この夜が終わるまで

バス停で いつまでもじっと 迎えを待ち しゃがむ少年
またひとつ 家に灯る窓明かり 見せつける温もり

駅のホームから聞こえてくる 声が自分をすり抜けていく

長い点滅終えた遮断機が 別々の道へ誘う

夜の星に抱かれ 温かく 眠りたい
もう一度 ただそれだけ
“ごめんね” なんていらないよ 嘘でもいい
もう一度 夜が終わるまで せめて
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