女優になれない

階段をかかと鳴らして降りるのよ
地下鉄の駅へと続くプレ・ヌーン
降り注ぐ陽射しの中に置き去りの
あなたに投げキッス送る フェアウェル

愛していたのは あなたの優しさじゃないから
私を気遣うことはない
指で覚えた 彼女の電話に
「すぐに行くよ」と言いなよ

Ah-
私は馴染みの酒場で独りきり
オリーヴを指でもてあそび
痩せがまんの練習をするわ 決して泣かずに

地下鉄の窓に映した微笑みが
壊れそうになり かけるサングラス

愛していたのは あなたの静けさだったから
言い訳も何もいらないわ
どちらかひとり幸せになれば
2人ダメになるよりも

Ah-
女優になれると素敵な強がりに
笑ったつもりが気が付けば
ほら溢れ出す涙を誰か止めて欲しいの
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