花を贈ろう

ペダルを空回りさせて
坂道を降りて行くよ
くたびれたシャツのにおい
町に灯(ひ)がともる

花屋の角を曲がってく
春の風の詩(うた)ひびく
店先にゆれていた
赤いカーネーション

回り続ける時間の中で今は
あなたの顔を思い出してる ひとり
見上げた空に浮かぶ 月に照らされて

手紙に書いた出来事は
もう大丈夫になった
帰り道はいつもそう 人恋しいだけ

風を切る音 自転車の音 今は
あなたの顔を思い出してる ひとり
伝えたいのに 言葉に出来ない日々が
季節の中に埋もれてしまう 今日も

ありがとうっていえなくて
花をおくったよ
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