桜の森

桜の木の爛漫と咲き乱れてる
一つ一つの根本に埋ずもれてる忌が

壁は壊れ桜の森は陽射し浴び
美しさに戸惑いを抑えきれず
飛び出した黄金の廃墟
背中にすがる愛しき花びらが
待ち伏せためくるめく因果
言葉は斬られ藪の中

桜の木の一つ一つに埋ずもれてる
無念の顔 美しさに脅えながら

宝箱の隅っこに隠されてた
絵巻物を 御伽噺と決めつけ
風は呼ぶ「逆らうな流れに」
したり顔して何故に笑う
吸い込まれ吐息も絶え絶え
背中にすがる愛しき花びらが
喰らいつき 物怪に
……歴史の花と散れ
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