最上川慕情

恋の左沢(あてらざわ) 情けの酒田
女ごころの 紅花のせて
船はヨサヤの 六十里
碁点(ごてん)・三(みが)の瀬(せ)・隼(はやぶさ)で
泣かぬ船頭の 目が濡れる
ヨヤサノマガセの 最上川

波の瀬の瀬で 涙ぬらす
あのこ恋しや 達者でいるか

日かげ育ちはよ 日向に弱い
袂ふるから この岸辺まで
はんこたんなを投げてくれ
春の七草 ほとけのざ
秋の七草 ひがんばな
ヨヤサノマガセの 最上川

風の噂もよ 届かぬままに
風にめくれて こよみが細る
今日も万場で 袖絞る
窓を開ければ ひらた舟
明日を夢見て 棹をさす
ヨヤサノマガセの 最上川 最上川
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