小さな声で

小さな声で「ゴメンナサイ」と
うつ向く君が許せないから
夢を刻んだ目覚し時計も
買ったばかりの指輪もすてた
僕の知らない匂いをさせて
帰って来たのさ あの夜の君に
何故あの時に
言えないの「待ってよ」と
何故あの時に
言えないの「抱いてよ」と
ひとり見上げる街の夜空が
やけにきれいだ

小さな声で「ゴメンナサイ」と
うつ向く君がなつかしいけど
二人でいるより 一人暮しに
馴れてしまった 僕なのさ
風が噂を運んで来たよ
やりなおしたいと
あの娘が泣いたと
もうふり向くな
すぎ去ったあの時を
もう戻れない
帰らない この僕は
悪い夢だとつぶやきながら
背中を向けた
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