母のふるさと

湖深く
眠る深山(みやま)の その郷(さと)は
母のふるさと 幻の
幾年月(いくとしつき)の 道のりを
越えてはじめて わたしから
ここへ降り立つ 夏の夕暮れ

「よく似てますね」
幼馴染(おさななじ)みと 云う人の
昔話に 涙ぐむ
野の花摘んで 湖に
そっと流して 眼を閉じる
母のその歳 並ぶこの秋

この高台に 満天の
星が降ります 髪にまで
ここがふるさと 夢のともし灯
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