うたえないうた

うたってもうたってもうたえないうた
かなってもかなってもかなわないゆめ
喉はもうカサカサなのに
瞼の裏のスクリーンに
いつまでも取れない埃のようなもの
きみの愛情から「あ」が失われた「あ」の日

回っても回っても戻れない場所
出会っても出会ってもさわれない人
足はもうガクガクなのに
意識は妙に昂って
真夜中にざわめく光のようなもの
ぼくの太陽から「た」が失われた「た」の日

守っても守っても癒せない傷
かわってもかわってもかわらないこと
きみはまだあやふやなのに
こころに壁を積み上げて
怪しげな気持ちで誓いをたてるだけ
きみとぼくがいて
「こ」を探してた「こ」の日
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