春が終わる前に

春を売った少女は鉄塔の陰になった
空を飛びたいんだと嬉しそうに話していた

僕らの抱えていた幾つかの苦悩は
その日から姿を眩ました

許されない心の鈍い痛みを
青春だなんて名前で誇らしげに
呼んだのは誰だ

生まれ落ちた瞬間に
罪を背負った僕らの抵抗
救いの舟はもう来ないと知っていた
春になって僕は捜している あなたの陰を
いつの日かまた逢いに行くよ

傷を負って生きていく事すら
罰を受けてる様で
ある日 ありもしないけど
架空の国を作った

僕らは明くる日も迎えの船を待っては
時間ばかりを食べ散らかしていた

行き場のない心が咽び泣いて言う
「ここではないどこかへ逃がして欲しい
春が終わる前に」

少女の飛ぼうとした空へと
抑え込んでた思いが放たれていく
さよなら ごめんな また逢えるだろうか
忘れやしないさ いつかの青春を

生まれ落ちた瞬間に
この未来も決まったろうか
誰の呼ぶ声も聞こえないふりをした
春が散って季節は繰り返す
あなたを今も

生まれ落ちた瞬間に
罪を背負った僕らの抵抗
救いの舟はもう来ないと知っていた
春を待って僕は捜している あなたの陰を
もう二度と離してしまわぬように
いつの日か また逢いに行くよ
誓いを背負って
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