処暑

もう嫌だなんて他人のせいにして
逃げ惑う僕は嘘に囲まれて
八月に書いた夢は雨曝しで溶けていく

顔で偽って笑って 心は泥まみれで
一人、抱え込んで何かに縋り付いた
感情が溢れ出して 現実が僕を取り巻いた

咲いた花は儚く消え去るもので
ほら、見失って 何故か寂しくなるのは
いつか見た夢を忘れられないから

愁い言ばかり 情けないばかり
喚く今、此処で膝を抱えた
雑踏に混ざり込んで 葛藤と座り込んだ

過ぎる日々感情、壊れゆくことを
知りながら此処で何もしない夏が終わる
八月に書いた夢は色褪せて僕が終わる

伸びる影に背を押され歩く日々
もう遠く消えてしまえ 愛でてこの手を引いてよ
まだ揺るがない その影法師さえ憎く見える
伸びた影さえも美しいから
何故か寂しくなるのは
いつか見た夢を忘れられないから
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