僕と詩人とメール街で
賑やかな店 その片隅で
空っぽのワイングラス いくつも並べて
何故だか君は僕を選んだ
それからずっと それからたまに
僕と詩人はメール街で
切り過ぎた爪 熱い指先
まだ見ぬ人を焦がれるような瞳
いつでも彼はそんな調子で
僕と詩人はメール街で
隣の席の誰かが今夜も
知らん顔して僕らの話 聴いている
いつか失くした遠い記憶や宛てのない手紙
治ったはずの悪い癖
切なくて胸が痛むようで
ずっとこうしていたいようで
ねぇ 君ならうまく言えるだろう?
ねぇ 誰もがどうしてこんなに孤独なんだ?
ねぇ 僕らはどこへ帰りたいんだい?
ここではないどこかへ
小さな路地の空は狭くて
君はいつでも先を歩いた
右と左に別れた後で
君は振り向いて言った
「それを探してる。ずっとそれを探してる。」
枯葉を踏んで背中が遠ざかる
時間のトンネル抜けてまたここで会おう
自由はここにある
僕と詩人はメール街で
僕と詩人とメール街で
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