あなたの故郷

一人旅が好きな私は今 宛もなく小さなこの町に来ています
そういえばここから五キロ先の港町はあなたの故郷よね

潮風の匂い カモメの唄 仕事を終えて誇らしげ海臨丸
浜辺で駆け回る子供達にあなたの面影見えたり見えなかったり
この海で捕れる魚はどこよりも美味しんだよって語る
あなたの口元には米粒一つ

「ついてるよ」って教えたら反対の頬に手をやるから
「逆だよ」と言って笑いあったっけな
こんなにも私あなたの事が好きだったんだな

笑ったり泣いたり怒ったりして ただただ幸せを感じていました
ほんのりにじんだ愛の色は永遠だと思ってた あの日までは

波打ち際をそっと歩く 水平線に陽が沈む
お別れを告げる潮騒だけが聞こえる
砂浜に小枝で書いた誰かのあいあい傘
この二人の幸せを願いながら ああ さよなら

こんなにも私あなたの事が好きだったんだな
こんなにも私あなたの事が好きだったんだな

あなたと過ごした日々は今も私のこの胸に変わらずに生きてます
港の石碑に刻まれてる 歴史なんかには及びもしないけれど
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