母国情緒

猫のまなこ眼と犬のお耳であなたに御挨拶 何一つ逃したくはないの
仮令誰かに妬まれたとて私は構わない
此処でちゃんと向き合えている

内緒の地図は交差点を描いて 鮮やかに広がっていく
快活な空 街路樹がコラージュ切抜合成 不確かな明日を慶んでいる

誰かが勝てば誰かが負ける浮世は忙しい 何一つ容易い事ないの
だけど思わず笑みが零れる私は仕合わせ
現在はもっとよく分かっている

たったの一人昼食を摂ろうと 神楽坂彷徨った午後
入れぬ道も 費やした歩数を裏切らず 繋がっていると知った

春夏秋冬雲の色まであなたとお揃いで 何一つ欲しいものがないの
もしも望みが叶うとしたら言葉を交わしたい
母国だって同じだもの

母国情緒 此方に在りらむ
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