母さんギター

娘ざかりを お前だけ
苦労させると 泣いた母
そっとなぐさめ 来たものゝ
小雨つめたい 露路裏は
なぜか なぜか 泣けちゃう
ギターひき

酔うたお客が くれた花
散らずおくれと 頬よせる
ひとりさみしく 待ちわびる
寝ついたまんまの 母さんにゃ
花は 花は せめての
夢だもの

好きな人さえ あきらめた
弱いむすめと せめないで
いのちみじかい 母さんを
ギターつまびく 細い手で
抱いて 抱いて あげたい
夜なのに
×