さよなら、I love you

いつもの帰り道 遠回りしたのは
二人で借りた部屋に 帰れない 帰りたくない
夢ばかり見ている男と 不釣り合いな出来た女
貯金も甲斐性も 僕には何も無い

コンビニうろついて タバコをふかして
どんな顔してドアを開けるか考えていた
日を重ねれば重ねるほど 言えない事も増えていく
そういやここ最近「ありがとう」さえ 伝えてなかったな

馬鹿な男でごめんよ 君を困らせてばかりで
それでも君は笑って 嗚呼 なんか辛かったよ
最寄り駅徒歩7分 二人の家に帰ったら
不器用なりに伝えよう ためらいがちの「I love you」

この時間ならいつも 点いてた電気が
今日に限って何故か カーテンから漏れてこない
「あなたはあなたの思うまま 思いきり生きればいいの」
テーブルに置き手紙 「さよなら」さえ 伝えられないまま

馬鹿な男でごめんよ 君を困らせてばかりで
ベランダから夜空と 嗚呼 滲む月見ながら
ポケットに詰め込んだ 二人の鍵握りしめて
伝えたかった言葉は「ただいま」「ありがとう」「I love you」

馬鹿な男で本当ごめんよ 君を困らせてばかりで
今になって思うよ 嗚呼 愛しているのさ
夢の続きは独り 恋の続きは雨模様
広くなった部屋の中 呟いたんだ「I love you…」「さよなら」
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