はなればなれのそのあとで

はなればなれのその後で
あなたの声が聴こえてくる
二度と会えない僕たちにも
同じ朝が来る

曇った硝子の向こうで
あなたが何か伝えている
言葉だけ切り取っても
表情はいつも見えない

せめてその手のぬくもりを
感じることができたらと
叩く手に感じるのは
硝子の冷たさだけでした

はなればなれのその後で
あなたの顔を浮かべてみる
失くさなければ気づけない
心に雨は降る

あなたを思う気持ちを
ちゃんと伝える術を知らず
丸めては捨てた言葉が
頭のなかで散らかったまま

日々の隙間を流れてく
川の速さを眺めてたら
目が回って気が触れて
倒れて見えた空は青

はなればなれになる前に
曇りガラスの向こう側に
使い古しの言葉でも
届けなきゃ

はなればなれのその後で
あなたの声が届いてくる
背中合わせの僕たちにも
同じ朝が来る
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