徒らに、戯らに

然したることも無いままに
君のあとさき行き違い
男と女 犬と猫
結局距離は縮まらず
夢が欲しさに 男とは
深く付き合い 女とは
浅く付き合う 旅人の
魂未だ 死に切れず
要領良さに 女とは
深く付き合い 男とは
浅く付き合う 洒落人の
魂未だ 殺されず

徒らに時走る 戯らに人笑う
神たなごころの 遊園地

然したることの無い憂さに
夢のコスモスひとむれを
真昼の空に 飛ばしつつ
目先の瑣事も捨て切れず

夢が欲しさに人集め
団欒談笑 さもなくば
放歌高吟 夜は更けて
人一人さえ 傷つかず
祭づくりに 人集め
理屈筋書 飾り立て
喝采の中 気が付けば
恋人遠く 背も見えず

徒らに時走る 戯らに人笑う
神たなごころの 遊園地

然したることも 無いけれど
眠れぬ夜を寝過ごせば
珈琲豆を 挽く君の
朝の歌声遠からず
何ものも無い 土を割る
雑草の芽の 鮮やかに
散歩決め込む 飼い犬は
尾を振りせがみ 吠え止まず
さあれ見果てぬ 夢覚めず
僕が意気込む 試みの
先の儚さ 見透かして
君は手仕事 止めもせず

徒らに時走る 戯らに人笑う
神たなごころの 遊園地

然したることも無いままに
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