あきらめの朝

厚い硝子の 窓越しに
身ぶり手ぶりで 問いかける
やっと通じた ひとことは
声の聞こえぬ 愛してる
そのひとことが 聞きたくて
眠れぬ夜を 重ねてきたが
今朝は旅立つ さよなら列車

駅のベンチに 置いてきた
手紙の束は 捨てていく
やっと通じる 言葉にも
心残るが もう遅い
そのせつなさを 避けたくて
逢う日逢う日を 重ねて来たが
今朝は小雨の あきらめ列車

その真心が あるのなら
何とかなった 二人じゃないか
今朝は霜枯れ 裏切り列車
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