101回目のファーストキス

いつの間にか 言葉はすべてを語らない
でもかまわない
移り行く日々も どの季節も
素肌に刻み付けてきたから

さかさまに振れば 散らばるような
時間を思い出して
聞き慣れた曲に戸惑う
毛玉付きのわたしがいた

ふいに風が
やさしく髪をなでて過ぎ去る午後に
追いかけて そっと触れてみたいのは
優しい背中だけ

100回めのファーストキッスを
君にあげましょう
ほどくように 召し上がれ
たった今を感じるだけのことが
恥ずかしい
衝動にまかせてみるよ

長すぎた春に 埋もれてゆく何かを
掘り起こして
よそ行きの服に着替えるように
両手で ほら やさしく

抱きしめたら 長い間
瞳の奥に留めた キモチイイのが
溢れだしてしまうのさ
それでいいのなら

100回めのファーストキッスを
君にあげましょう
何回でもいいよ 繋がろう
ほっといたら とっちらかってる恋じゃ
もどかしい
情熱にまかせてみてよ

あと 何を言えばいいんだろう
101回めのファーストキッスを
君にあげましょう
創世記のようにあたらしい2人は
恥じらえば恥じらうだけ
素直になってゆくね
ねえ、キスしよう
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