このごろ、そのひぐらしで

曇りのち雨の日の午後には
窓辺の音にゆられてうたた寝するのがいい
気づいたら知らない扉をあけて

君の声はやさしくてまるく淡く問いかける
ついてゆけば丘の上甘い風が吹く

どうやってこの退屈な日々から抜け出せるの
さみしい時は君のこと連れてくわ
少しくらい、かまわないでしょう

曇りのち雨の日の夜には
明くる日の起きる時間など考えない方がいい
日常はそうやって過ぎてくものさ

君を一度あきらめて くたびれ果てた体で
ついてゆけば丘の上 夏の風が吹く

どこからお話のようなことはやってくるの
かなしい時は君のこと呼んでみる
少しくらい、かまってちょうだい

君の指はやさしくて 時につよく問いかける
ついてゆけば雲の上 どこへ行くの
戻ってきて

かなしいことがあったら 君と手をつないで
ふたりの知らない街を見に行こうよ
はしれ、はしれ 夏の風を味方にして
ずっとどこまでも
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