誰にもわからない

それは何でもないような一日
あの子が消えたこと以外は
急に親しかったような顔をして
大げさに嘆く人に なりたくなかった

ねぇ神様っていると思う?
救われる確率はみんなが平等?
どうでもいい願いを叶えては
最期に縋った手をまた振り払った

温(ぬる)い笑い声が近づく度
唇を噛んでた

誰にも分からない
なにが正しいかなんて
でもあの日夢を語っていた
あの顔ばかりが浮かんでくる

悲鳴のような踏切の音が
なぜか今日は耳に刺さった
その気もないくせに目を閉じては
横切る風と深い闇に怯えていた

踏み外さぬよう歩くことは
こんなにも難しいの?

誰にも分からない
なにを幸せと呼ぶ
でもあの日夢を語っていた
あの顔ばかりが浮かんでくる
あの顔ばかりが浮かんでくる

それは何でもないような一日
いつもの街が動き出した
忙しく行き交う 人ごみの中で
今もすれ違ったような気がしたんだ
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