ちえこ

ちえこが俺にくれたもの
白い小さな貝がらひとつ
グラスの底に沈めて飲めば
暗い酒場も波音ばかり
夜の新宿降る雨が
遠いあの海思い出させる
ちえこが消えたあの海を

ちえこが俺にくれたもの
泪色した真珠の指輪
手のひらにのせて見つめていたら
小さな虹がうかんで消えた
夜の新宿降る雨が
遠いあの頃思い出させる
ちえこがわらったあの頃を

ちえこが俺にくれたもの
さびしい胸にともしびひとつ
ちえこに俺が与えたものは
さよならもない別れがひとつ
夜の新宿降る雨が
バカなこの俺またも責めてる
ちえこの泪が肩を打つ
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