紅吹雪

別れの駅で 身代わりですと
あなたに渡す 雪だるま
小指に結んだ 二本の糸は
季節が変わろと 解(ほど)けない
雪よ降れ降れ 線路に積もれ
上り列車が 止まるほど

角巻(かくまき)捲(ま)いた 私の姿
好きだと言って 抱いた人
一夜の情けを 重ねて燃えた
越後の女の 置炬燵(おきごたつ)
雪よ降れ降れ 山ほど積もれ
上り列車が 眠るほど

からめた指を 情(つ)れなく離す
改札口を 恨みます
二人で暮らそと あなたの言葉
信じて待ちます 雪椿
雪よ降れ降れ 吹雪に変われ
上り列車が 戻るほど
×