ざらざら

ねぇ
「あなたが泣く夢を見た」なんて
可笑しくって 哀しくもなった

ざらざらした この胸の砂は
他の誰に つかめるのだろう

ひとりの夕陽は
毒のように 甘く
じわじわ痺れてく

何もかも
とたんに うまくできないな
重く深く 沈む時間
今はただ ずしんと空いた穴ぼこに
あこがれの種
こぼれ落ちていくさまを
じっと見てる

せつなくなればせつなくなるだけ
くやしいけど 生きてるって思う

ざらざらした 思い出の砂は
でもどこかで 守ってくれてる

ひとりのコーヒー
飲み込む味は苦く
喉の奥が熱い

何もかも
言葉になればいいのにな
茜色の本を かざす
今はただ 気ままに踊る文字たちの
匂い感じて
ほんとか嘘かも知らない
景色見てる

何もかも
とたんに うまくできないな
重く深く 沈む時間
今はただ
ずしんと空いた穴ぼこに
遠い空から
激しい雨が降るのを
じっと待ってる

やさしい花が咲くのを
ずっと待ってる
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