Phobia

光と陰が行き交う速度は
今日も弓矢のように
袖振り合えど 素知らぬ顔で
過ぎ去る そんな世界だ

咽せ返る煙たい喧騒も
この街じゃ まるでレクイエム
交差点 誰もが我先に
押し合い圧し合い
ここから逃げ出したいという
切なる感情は人混みに飲み込まれてく

「どこかへ消えてしまえば
楽になれるの? 教えてよ…」
そんな目をして
遠くを見る横顔は 瞬きもせず

環状線 止まない渋滞は
食み出せば直ぐにクラクション
灰色の未来に描かれた
「止まれ」の文字に
青春の「せ」の字も
口にするのが憚られる
違和感は もう無いけど

壊れそうな その心を抱き締めたい
フォビア 君の為に
何が出来るのかを探し続けてる
出逢えた あの日から
この手が 白く大きな翼ならば
フォビア 大宇宙の彼方へ
君を連れて高く羽ばたいて
苦しみ全て 遠ざけてあげるのに

光は陰を消し去り
陰は光を追い掛ける
闇が深く見えるのは
そこに光が存在するから

刺さるほど眩しい現実に
四苦八苦 全て曝される
平静を装い 演じても
隠し切れない 消えない傷跡は
そっと大事に残せばいい
痛みは もう無いだろう

壊れそうな その心を抱き締めたい
フォビア 君の為に
何が出来るのかを探し続けるよ
土に還る日まで
その目に 溢れるのが涙ならば
フォビア 輝きを集めて
滲む景色に並べてあげよう
世界が少し煌めいて見えるように

その心を この両手で抱き締めるよ
My dearest, phobia
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