菜々

菜の花の海
掻き分けるあなたは
一面の
黄色の波に浮かぶ
光が揺れる
香り立つ丘に
流れゆく
雲が僕ら追って

いつの日も そうだね
描いてた どこまでも
二人の夢
空を翔る

笑顔と 涙の
その間にあるもの
繰り返し 僕らの足跡つくる
語らう 杯
菜々 滴が解き放つ
幾年 変わらず伝う

フワリ舞う雪
指先で儚く
溶けてゆく
同じ色の空から
冷ややかな
風が頬をかすめ
杉香る
香しき思い出

どこまでもそう 白
音もなく 包み込む
二人の夢
降り積もって

駆け抜け 止まって
僕らのゆく先には
いつでも 希望のカケラが光る
菜花の 花籠
香りが 記憶を呼び覚ます
あなたに 届けてゆく

降り注ぐのは 雨
水面へと 輪を描き
二人の夢
重なって

始まり 旅立ち
別れのその涙が
誘う あなたが望んだ道に
色づく 杯
菜々 滴が願い乗せ
幾年 香ってゆく
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