男笠

親も無ければ 塒も持たぬ
廿才、三つ四つ 渡り鳥
広い世間に 無いものづくし 
どこではぐれた 男笠

(セリフ)人間同志のあったかい「心」―
一体どこへ、行ってしまったンでしょうかねぇ

酒が三分で さいころ七分
恋の目が出る 場所はない
まゝよ半端な 街道がらす
女泣かせは まだ早い

日かげ三年
草鞋の泥は
いまが捨てどき 洗いどき
訊いてご覧よ
落葉の果てを
お釋迦さまでも 首を振る
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