うた

ざくろの花のオレンジを 六月の雨がそっとたたく時
その下をくぐる僕の心は 鉛色の雲のように暗い
口ずさむ歌は煙になって 青葉の群に吸いこまれる

くたばってもいい 死んでもいい
僕の血が そっくりそのまま
声となり言葉となって
今を時代を唄うなら

降りしきる雪のホワイトが 一月の屋根をふわりと飾る時
その下で暮らす僕の心は ストーブの炎のように赤い
口ずさむ歌は匂いになって 窓ガラスにまとわりつく

くたばってもいい 死んでもいい
僕の血が そっくりそのまま
声となり言葉となって
今を時代を唄うなら

雨上がりの虹の七色が 八月のビルにほのかに笑う時
その前にたたずむ僕の心は ビー玉の縞のようにきらめく
口ずさむ歌はひびきかわして 大空めがけかけ抜けて行く

くたばってもいい 死んでもいい
僕の血が そっくりそのまま
声となり言葉となって
今を時代を唄うなら
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