想い出にかわる季節

振り向いたのは
クリスマス間近の街
弾む吐息が煙る中に君がいた

「ねえ 久しぶりね」と
微笑む顔によみがえるあの季節

ずっと忘れられずにいた
傷つけたこと 愛したこと
なにかうまくいいたいのに
声にならない夕暮れに
遠い景色が映るよ

「変わらないね」と
やっとそれだけいえたよ
腕に抱えたプレゼントは誰のため?

「ねえ帰らないで」と
涙に濡れた瞳を振り切った

もしも僕があの時に
心 素直に伝えてたら
ふたり恋もあの夢も
つないでいたの? 遅すぎる
すべてが想い出になる

そう 変われないのは僕だね
あの日の君はもういない

「いつかまた会えたらいいね」
そういいながら手を振る輪郭(かげ)
少し大人びた君の
背中見送り歩き出す
想い出が沈む街へ......
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