日傘

あぁ 足が濡れて
あぁ 落ち着かない
今 欲しいものは
水色の日傘

ただ 羽根をこする
あぁ 街の音も
やだ 欲しいものは
水色の? …あぁ

口を閉じなくちゃ
心が錆び堕ちる
したたる雨水よ
お願い 責めないで

「言わないから…。」 ―手を伸ばす―
片方の靴が無くて
僕はただ 立ち尽くす

「ママ、おむかえには、まだこられないの?」
ねぇ、空っぽだと すぐ壊れちゃうよ?

幼い思い出は
大きな向日葵と迷子の観覧車、ママの手、あの日傘

「言わないから…。」 ―手を伸ばす―
高すぎるあの太陽
「僕のこと愛してる?」
「言わないから…。」 ―手を伸ばす―
そして影は伸びた 知らずに
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