夕立の前

校庭の地面の熱が
近づく夏の そう気配を伝えてた
制服の上着を脱いで
走り出す背中が僕には眩しかった

この手を伸ばせば逃げてくような
ひらひら舞ってる蝶を捕まえたい

夕立が来そうだ
青空が暗くなった
もし雨が降ったら
心はどこへ隠すの?
雨雲が動いた
風もその向きを変えた
ずぶ濡れになっても
君のそばにいたかった

炭酸のシュワシュワみたい
小さな穴が ほらグラウンドに開(あ)いていた
何粒の雨が落ちて
君たちはここまで戻って来るのだろう?

大人になるのは簡単だけど
ゆっくり素敵な花を見つければいい

夕立が来そうだ
遠い空 光ったんだ
傘なんて持ってない
天気予報は外れた
僕のこと気づいて
どんな顔するのだろう?
この場所にいる意味
切な過ぎて蒸し暑い

付き合い始めるその直前
誰も胸の奥のどこかに
ザーザー雨が降り出しそうな感情

夕立が来そうだ
青空が暗くなった
もし雨が降ったら
心はどこへ隠すの?
雨雲が動いた
風もその向きを変えた
ずぶ濡れになっても
君のそばにいたかった

緑の葉っぱの裏で
君は羽根を休め
虹色のあの空へ
飛び方に迷っていた
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